昔々、あるところに、三つの山と一つの村があったそうな。
一の山には鬼が……
二の山には土地の精が……
三の山には天狗がおりました。

村人達は三つの山に住まう彼らを崇拝し、
心のどこかでは、得たいのしれぬ者達に恐れもしておりました。
定められた三つの掟は、共存していく上で守らねばならぬもの。
村人達のみならず、
山の主達もまた、その掟を守り続けていたのです。


一つ、身を清めずして山に入るべからず。


二つ、山のものを汚すべからず。


三つ、山の主と人との会話を禁ず。



ところがある時、突如その禁は破られてしまいました。
偶然にも、その騒動の最中突如降りかかった大きな災いは、
鬼たちに村を守る時間をも与えないまま、
すべてを飲み込んでしまいました。


それから500年の歳月が過ぎ――


月下宴オリジナルボイスドラマ『暁月夜』


『あああもう! な〜んで年に一度の月夜の宴だっていうのに俺は雑用っ?
 くっそー、あのおばばめ、俺ばっかりこき使いやがってーっ!!』

御祠村で、元気のいい少年の声が響き渡ります。
今日は年に一度の月夜の宴のようです。
それでは少しだけ、覗いてみましょうか。
物語の続きを……



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